三方よし
我社の経営方針は「売手よし」「買手よし」「世間よし」の「三方よし」が基本となっています。
江戸時代中期の近江商人である中村治兵衛が孫に遺した「書置」が起源とされています。この中で、「自分のことよりも、お客様のことを第一に考え、相手先の地域に貢献できる商売をしなさい」と言った意味の言葉が記されています。
私の父は愚直なまでに誠実な人でした。
父が生前元気だった頃は工務店を経営しており、早朝であろうが、深夜であろうが、休日であろうが、お客様から電話があれば駆けつけていました。
天候に左右される仕事ですから、天気のいい日は休日返上で仕事をしていたので、幼い頃は父の職場に遊びに行って、父の仕事を手伝ったりしていました。
依頼主の方にも可愛がられ、お菓子を頂いたり、お小遣いを頂いたりしたことを憶えています。
商売っけがないので借金まみれで貧乏したが、世間の方たちには大変良くしていただきました。
父が家族の前で愚痴を言っているところは見たことがありません。
人の幸せが自分の幸せ。
そんな人柄だったように思います。
今はもう亡くなって、この世にいませんが、父も、きっと「三方よし」の精神で仕事をしていたんだと思います。
まずは、お客様に喜んでいただくこと。
つぎに、自分たちの仕事が地域社会にとって役に立っていること。
そして、自身の成長や自己実現につながること。
それが大事だと思います。