防災を考える

私の住んでいる団地は、冠水対策の放水トンネルができるまで、毎年のように梅雨時や台風になると床下・床上浸水をしてました。
自宅の北側でクルブシくらいの深さだと、南側は腰ぐらいの深さになります。
団地内の一番低い所で、首から下まで浸かったことがありました。

浸水被害があって、テレビの取材があっても被害報告として公式にカウントされないくらい日常的に起こっている光景です。
団地内が水の都になっている時は、各家の水深を図るために、消防団のモータボートが家の周りを滑走します。

古からある家には川船やボートが置いてあり、引越した当時は「ここの住人は皆んな釣り好きなんだ」くらいにしか思いませんでしたが、数年住むとその意味がわかりました。

話がそれましたが、弊社では防災マニュアルの設置が義務付けられています。
高知県では近年中に南海地震が起こることが想定され、特に津波被害が甚大と予想されています。

防災マニュアルを策定または改訂するにあたって、先の東日本大震災の事例に学び、改善すべきところは速やかに改善を行う必要があります。

ウェザーニュースが昨年4月に独自調査した結果を公表しています。大変貴重な情報なので記録しておきます。
①地震発生後、津波の情報を知るまでの時間
・全国平均:16.6分/被災地平均:16.4分
②津波警報を最初に入手したメディア
・震度6弱までは“テレビ”/震度6強以上は“ラジオ”
③大津波警報・津波警報を受けての行動
・津波の心配がされる中、海岸近くにいた45%の人が退避行動に移れず
・被害が大きかった被災地では、33%の人が退避行動に移れず
④揺れがおさまるまでの行動
・全国:屋内・屋外にいた人共に“とりあえず様子をみた”が最も多い
・被災地:屋内では“屋外に逃げた”、屋外では“とりあえず様子を見た”が最も多い
⑤揺れがおさまるまでの行動に対する自己評価
・全国・被災地共に半数以上の人が“うまく出来た”
⑥災害に関する情報の入手先
・全国:テレビ、携帯サイト/被災地:ラジオ
⑦地震発生後、家族や友人と最初に連絡が取れた時間
・全国平均:3時間15分/被災地平均:4時間9分
⑧被災時に家族や友人とコミュニケーションした内容
・全国・被災地共に“自分を含め家族の安否連絡”が最も多い
⑨地震発生から24時間以内に個人が情報を発信した回数
・全国平均:16.3回/被災地平均:19.1回
⑩困った事あるいは現在も困っている事
・全国:交通機関のマヒ/被災地:食料の調達
⑪備えておかなければいけなかったと思う事
・全国・被災地共に、“防災グッズ/非常食の準備”が最も多い
⑫避難時(緊急時)の近所の人や周りにいた方との連携への評価
・全国:半数以上が連携が取れた/被災地:8割以上が連携が取れた

文科省の「東日本大震災を受けた防災教育・防災管理等に関する有識者会議」が昨年9月30日、中間とりまとめ(以下「中間とりまとめ」という)を公表しています。
そこには、幾つかの課題が提起されていますので、これも記録しておきます。
・津波被害が想定されていなかった河口上流部の学校では、避難の判断が遅れ、多数の犠牲者を出した例があった。
・地震発生直後から、停電等により津波情報の収集ができなくなり、適切な避難行動の判断に支障を来したことから、避難が遅れ、学校が孤立した例があった。
・津波到達予想時刻までに、避難場所へ避難ができないとの判断から校舎屋上に避難した学校では、防災無線や懐中電灯等の緊急用備品が低層階にあり、浸水により使用できなかった例があった。
・学校外の社会体育施設等で部活動をしていた生徒の掌握・指示に時間を要し、津波からの避難行動が遅れ、犠牲者を出した例があった。
・地震発生後の避難行動について、校庭等が液状化や地割れなどで危険だった例があったことや学校施設の耐震化が図られてきていること等を踏まえ、校庭や体育館等に移動する避難行動について検討が必要である。
・津波による被害を受けた地域では、保護者に引渡し後、犠牲になった児童生徒等の例があった。
・教職員が引渡しに対応することで、他の児童生徒等の安全確保に当たることができなくなった例があった。
・地震災害発生後、通信網及び交通網が遮断された状況で保護者との連絡がとれず、児童生徒等の安全な下校、引渡し等が困難になった例があった。
・地震災害発生後、下校させることができない児童生徒等を学校で待機させた場合の備え(食料や毛布等の備蓄)ができていなかった例があった。
・児童生徒等の安全確保、避難行動への対応と併せ、避難してきた地域住民への対応が重なり、教職員が混乱した例があった。
・浸水しないと想定されていた位置に立地する避難所が津波被害を受け、避難者に被害があった例があった。

ここから分かることは、あたり前のことですが、
・津波は地震発生後15分後に到達。津波警報は地震発生後16分後に発令。
・津波は想定外の場所にも襲ってくる。
・とりあえず様子を見るではもう遅い。揺れの小さいうちに安全な場所に避難。
・大きな揺れが収まったら、速やかに高い場所に逃げる。
・日頃から家族間の安否確認の方法を決めておく。
・懐中電灯、ラジオはいつでも使えるように。
・会社には帰宅困難者が数日間滞在できる備蓄を構えておく。

それと、木造家屋での安全地帯はトイレとか風呂場、玄関と言われますが、オフィスビルでの安全地帯はどこなのか、日頃から確認しておく必要がありますね。


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