シンプル・イズ・ベスト
1901年に創業のコールマン。
アウトドア用品のメーカーとして有名ですが、最初は屋内用の照明器具のレンタル事業からスタートしました。
ウィリアム・コフィン・コールマンは1870年にニューヨークで生まれました。
コールマンは弁護士を志して大学で法律を勉強していましたが、11歳のときに父親をなくしたコールマンは自分で働いて学費を稼がなければなりませんでした。
そんなコールマンが1899年に学費を稼ぐために、アラバマ州でタイプライターを売って歩いていたときに、とある薬局の窓から明るい光が漏れているのに驚き店の中に飛び込みました。
コールマンは弱視で小さい文字は友達に読んでもらわなければならないほど視力が悪かったのですが、そのランプの下では薬の小瓶に書いてある小さい文字を読むことができたそうです。
その明るさに感動したコールマンは、ランプの製造会社がセールスマンを探していることを知りセールスを始めたのですが、売れたのはわずかに2個。
そこでコールマンは販売方式からレンタル方式に転換し、新しいビジネスモデルで貸ランプ業を1900年にはじめました。
翌年の1901年にア-ビィギリランド社が製造するエフィシェント・ランプの特許権を買取り、新たに会社を設立して自社製造を開始します。
その後コールマンはアウトドア用のヒット商品を数々生み出して成長を続けます。
先日、久しぶりにコールマンのランタンを使おうとしたら、ポンピングができなくなっていました。
20年以上前に買ったもので年に数回使用していますが、これまで一度も壊れたことがありません。
ポンピングのポンプカップはいつもメンテナンスしているので、取り外してチェックしても特に異常はなく、中のチェックバルブに問題があるようでした。
普段使わない時はサビ防止のためガソリンを満タンにしてエアーを抜いて片付けるのですが、昨年使ってそのまま片付けてしまったため、チェックバルブの中の玉がくっついて固まっているようでした。
チェックバルブというのは、ポンピングで加圧したタンク内のガソリンが逆流しないよう、タンク内の圧力でフタをする装置です。いわば、ラムネのビー玉のようなものです。タンク内に圧力がなければバルブ内でカランカランと動きますが、タンクに圧力を加えると内側から玉が押されて蓋をします。
このパーツも単純な構造なので、取り外してメンテナンスすればいいんですが、取り外し用の専用工具を20年前に買ったきり、一度も使うことなくどこに片付けたか全然判らなくなっていました。
コールマン製品のすごいところは、ガソリン製品のパーツがほぼ同じ規格で、若干改良が加わっているものの何十年も変わってないことです。最悪の場合はパーツを交換すればいいんだけですので、イチかバチか壊れたらパーツ交換すればよしと、焼き鳥用の竹ぐしでチェックバルの玉をグイグイつついて見たところ、カタンといって玉が離れました。
特に錆びている様子もなくポンピングしたら、うまく加圧できましたので、やってみるものですね。
結果オーライです。高い工具も買わなくて済んだし、修理に出す必要もなくなりました。
シンプル・イズ・ベスト。
単純な構造でメンテナンスしやすく交換部品も揃っている。
我々も、モノづくりの基本として、見習うべき点が多いいですね。